カテゴリ:マネーコード( 32 )

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by taku-ma3 | 2007-05-22 14:00 | マネーコード

11

「不意を突かれる事が一番キツイ」
とあるボクシングの日本チャンプ経験者からそんな話を聞いたことがある。
いくら鍛えていようが・・・ということだ。チャンプが言うにはいきなり彼女に食らった張り手が今まで食らったどんなパンチより効いたらしいが、ボクサーの鍛え上げた首でさえ軽い脳震盪を起こしたというのだからその彼女も並みではなかったんじゃないかという気はする・・・

でオレの事故なんだがこちらも完全に不意を突かれたと言っていい。
深夜に信号で停車中、無灯火の車が追突。金属のぶつかるものすごい音がした。
居眠りだったらしくスピードは45~50キロかそれ以上ではなかったかと思う。
同乗の女性はすぐに救急車で病院に、こちらは気になるところは無かったので現場検証に付き合い、その後警察署で聴取された。2日たっても全く何も無く女性のほうを気遣っていただけだった。
3日後。いきなり強烈なめまいを起こし脚がもつれ道にへたりこんでしまった。
そして裸眼ではほとんどなにも見えない状態まで視力が落ちてしまっていた。視力はその後一ヶ月、毎日落ちつづけた。
さらにジムで汗を流している最中に寝てしまうというなんとなく危険を感じることまで起こった。
これらの症状はごくごく最近まで続いていた。
専門家にいわせると「むち打ち」で起こり得る症状だというのだが保険の効く範囲かどうかはなんとも言いがたいらしく案の定保険屋からそのへんの保証は治療費も含めていまだ受けていない。先日御茶ノ水の病院のセンセイにやっと
「ほぼおさまりましたね」
と言われまあまずは一安心できたんだが。ちなみにぶつけた奴はどっかのアンちゃん。で親がでてきて言う事がまたたまらない。
「ウチに連絡してきたら警察に通報するぞ」
オレはヤクザか?ていうか謝らないのかなあ、と聞くと
「絶対に謝らない!」だそうだ。続けて
「あとは保険屋にまかせてあるから!」
「・・・」
「この会話もテープにとってあるぞ!もう関わるな!」
なんかオレ悪いことしたのかなあ・・・
全くすべてが”不意打ち”だったよ。事故もオヤジも・・・
あやうく障害者手帳もらう羽目になるとこだったのに・・・
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by taku-ma3 | 2007-05-15 14:57 | マネーコード

10

「お前、おもしろい能力持ってるな」
ジャニス・ジョップリンが愛飲したとかいうカクテルを飲みながら中沢が言った。
コイツは俳優のトミーリージョーンズのような面構えをしたなかなかイカす48歳なのだがちょっと変わったオトコだった。
真冬でもド派手なアロハに半ズボンにサングラス、頭にはネコ耳の付いたヘアバンド、サンリオのキティーのでかいバッグ、ついでに車のバックミラーには女物のパンティーが下げてある。
しかも両刀使いである。
見てくれはそんなだがオレが
「風呂に入りてえな」なんて言えばその瞬間に車を急旋回させ山梨の石和や水上の秘境の混浴湯に向かってくれたり
「富士は日本人の魂だよな、見てえな」などと言えば夜中の3:30に「日の出の富士を見せてやる」とばかりに中央道をぶっ飛ばしてくれるなかなかいい奴だ。
「キミのアグレッシブさにはとてもかなわないけどね」
「オレはカメラマンとして長い事やってきたがカメラってのはファインダーを通して被写体の内面を写すものでもあるんだ。被写体としてお前を見るとやはりなんかおもしろいオーラが出ているよ」
「でもな、ぶっ倒れたり事故に遭ったり今はなんか”負”のオーラが勝っちゃってるよな。休んだらどうだい、も一回輝きを発することが出来るように」
「雌伏だ。欠けちまった刀を磨ぎ直すんだよ」
「ネコミミのくせにいいこと言うな」
「じゃ女でも紹介しろ、お前でも良いけど」
「・・・」
この日、配信を一時休止しようと決意した。
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by taku-ma3 | 2007-05-09 15:00 | マネーコード

進化形を初めて見つけたのはたしか2005年のダービー後だったと記憶している。
直前、ダービー前のたしか東京ダート戦まではいわゆる直球の介入だった。
それがダービーを境に介入からの馬券が完全に”無くなった”。
しかし依然として介入自体は存在した。(非常に少ない頻度ではあったが)

6月のそのレースが終わった時オレは愕然としていた。介入馬は全く良いところ無く敗れてしまったからだ。中段やや後方を進み一度も脚を使うことなく馬群に沈んだ。
それまでといえば介入馬はたとえ負けるにしろなにかしら”レースに絡んで”きていたものだったのに全くそれすらない。そのレースはデザーモが”凄まじい末脚”で勝利した。

7月、全く同じことが起こった。介入馬は何もせず馬群に沈んだ。又も”凄まじい末脚”でアンカツが勝利した。
そのときすでにオレの頭の中は”・・・これは絶対に仕込だ。オレのような奴の目を眩ますためのトラップ込みの・・・”という考えが揺るがないものとしてあった。しかし全く解らない。
「気付かなきゃいけないんですよ、我々は。仕込みにね。それが出来なきゃ普通の人間、でしかない」Fが言っていた事を思い出しながらいた。

次の週、又介入があった。しかしオレは手を出すのをためらっていた。
どうせこの介入馬も何もしない・・・だった。
締め切りのベルが鳴ったその時だった。別に何かきっかけがあった訳ではない。書き間違えたわけでもない。10番 フクノファイン 複勝 を記入して窓口へ走った。
すんでのところで締め切られ馬券は買えなかった。
がこれは介入馬とは全く関係の無い、と思われる馬だった。
レースはフクノファイン最後方からの追走、勘違いなのかやっぱり・・・
しかし直線に入るとやや外目に持ち出し”凄まじい末脚”でハナ差2着。
馬券を持っていたわけではない、しかしレースを見ていてこんなにエキサイトしたことは無かった。握り締めた手は汗まみれになっていた。

次の介入も早かった。オレは自信を持って配信した。
「一見他馬に見えるが仕込みはここ。10 フレンチムード」

その後メンバーさんとこんな話をした。
「よく見つけましたねあんなの」
「その為に・・・かどうかわかりませんが血の小便まで流してるんですよ。それに3回もいじめられりゃ仕返ししたくもなりますよ仕込み筋に。少なくとも自分には仕込み筋と同じステージで戦ってきたっていう自負があります、絶対に引きたくはなかった。鞘から刀を抜いたらとことんまで斬り合いたかったんです」
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by taku-ma3 | 2007-05-07 17:47 | マネーコード

7

新しいアプローチを発見し更に人気薄からの仕込を見抜くことに成功していたが配信に対してのプレッシャーは凄まじいものだった。勝って当然、負ければインチキ野郎呼ばわり・・・
言い訳の通用する世界ではないしするつもりも無い。しかし負荷の流しどころのない立場と環境から極度に疲弊していく自分を感じていた。
いつしか真っ赤な血の小便が流れ大便にもおびただしい鮮血が混じるようになっていた。便器全体が血で染まる、そんな日が続いた。土日になると朝からメシがのどを通らず夜になると大量のハードリカーを呷って緊張しきった意識を誤魔化す。
そんな生活をしていれば体が壊れるのは当然のことだ。
案の定その夜、酒場のカウンターで咳き込み少しばかり血を吐き、そのまま地べたに倒れこんだ。
”中沢”という男がオレを救急病院に運び込んだ。

「余計なことを・・・するんじゃねえよ・・・」点滴を受けながら云ったがほとんど人に聞こえるような声ではなかったと思う。
「なんだかしらないが倒れるんならよそでやってくれ、この豚野郎」
・・・冷てえなコイツ、それじゃ礼も云えないじゃないかよ。
「起きたらとことんお返ししてやるからな、それまで待ってろこのおせっかい野郎」
オレの意識がまた遠くなる中、中沢の声を聞いた。
「その口ぶりじゃまだ死にそうにないな、安心したよ」
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by taku-ma3 | 2007-04-24 22:18 | マネーコード

6 

いつ頃からだろうか、オレたちの間には言いようの無いミゾが出来てきていた。
河岸も同じくはしなくなっていたし連絡もまばらになってきていた。
考え方の差も広がっていった。
記号的にオッズからの仕込を見い出そうとするF、能力を加味しての作業をするオレ。
買い目がこないとヒステリックになまでに騎手の落ち度を言うヤツに、あくまで自分の選択ミスを悔やむオレ。結果にも差が生まれてきて当然だった。
「今日は一緒にやらないか」
「新しい彼女とデートなんですよ、こないだのとは切れちゃいまして」
「・・・・」
それっきりヤツと顔を合わせることはなかった。
たまに連絡があると決まって
「いくらか回してください」
だった。オレは黙って訳も聞かず送金してやっていた。
金額が250を越えたあたりで
「どうだい、大丈夫なのか?」
と聞くと
「やってしまいました。昔のスポンサーからの預かり、溶かしきってしまいました・・・」
とっくにそっちとは切れているもんだと思っていたが・・・たしか預かりは1000と聞いていたが・・・
「でどうする」
「むこうはカンカンです。ヤサも知られてるんで跳ぶつもりです」
「わかったよ、40しか回せないが。死ぬなよ・・・」
「・・・すみません」
それっきりヤツからの連絡は現在に到るまで一度も無い。
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by taku-ma3 | 2007-04-24 14:23 | マネーコード

5

次の日からヤツの言ったことすべてを頭に叩き込む作業に専念した。朝も晩も、というか昼夜の感覚が麻痺するような日々であっという間に一週間が過ぎた。
頭にあるのは”世間を・・・”だけだった。生来の負けず嫌いの性格が幸いしたかとりあえずの理解は出来たと思う。

そして土曜日、日曜日、次の週・・・オレたちは紆余曲折こそあれ勝利を積み重ねついにメディアに登場することになった。
「なんか名前が欲しいな、”なぞの二人組の馬券術”じゃ気味が悪い。良いの無いかい」
「・・・そうですね、M、M資金てあったじゃないですか、旧日本軍の隠し財産とかいう。それとオッズの配列という意味のcodeを引っ掛けてM-CODE,ってどうです?エムコード。オッズで財産発掘。ちょっとわかりにくいかな」
「・・・」
「・・・」
「マネー、マネーコード・・・すっきりしますねこの語呂」
ヤツは以前ライターをやっていたらしい。
「それで行こう、マネーコード、いいじゃないか」
「再来週の有馬記念もぶち抜きましょう」
オレたちはお互いの足りないところを補い合ういいコンビだったと思う。
そしていつものように淡々と作業し有馬記念もタップダンスシチーを見抜き的中させた。
初の現場取材ということもあって珍しくヤツも雄たけびを上げていた。
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by taku-ma3 | 2007-04-24 10:54 | マネーコード

4

場所を中山から新松戸へ移し話を続けた。
共通の意見として既存の馬券法では”生きているレース”を対象に出来ない、ということがあったがヤツの記憶の中にある膨大な資料はオレとは比べものにならないものだった。
まるで棋士が感想戦をやっているかのように過去のレース、そのレースの仕掛けどころ、各馬がもっていたオッズを話し続けた。しかも一つのレースに関して仕込みがある可能性のあるオッズの馬、6頭前後・・・数にして500頭以上のオッズ、戦績がすべて頭に入っていた。しかもその各馬の厩舎、騎手までだ。
予想以上のイカレっぷりにオレはただただ黙って聞いているほかは無かった。

「で。ですよ」
「・・・」
「この間から始まった3連単、ここにも必ず現れてくるはずだ。と思ったんですよ」
「というと?」
「単複枠馬、馬単3連から見えてきていたもの、絶対3連単にも痕跡を残すはずなんです」
「・・・」
「そのゾーンは130。ここがツボになっている」
というと鞄から先ほどのぺラ紙を取り出した。オッズプリンターだ。見るとマーカーで塗りつぶされたゾーンがある。
130倍台。
「このオッズに存在することがいわゆる”仕込”の可能性を高くさせるんですよ」
「無論全部がそうだとは言いませんが今まで自分がやってきたことの後押しにはなっています」
払い戻しの事実を見ているだけに否定の仕様が無い、というかそれが聞きたかったということもある。
「・・・それでどのくらいいける」
「6割、・・・弱くらいですかね」
オレの頭に昔の師匠に言われたセリフがよぎった。
・・・博打なんか所詮突き詰めれば1/2の丁半博打、だがそれをほんの少し・・・51:49にすることが出来れば。まあそれがあっちの世界とこっちの世界の差なんじゃねえのかな・・・

その日は次の週末の再会を約束し別れた。
「いい話が出来ましたかね」
「さあどうかね、オレに理解できたかもわからないしまあ来週楽しみにしているよ」
そう云って武蔵野線に乗り込んだ。
すさまじい疲労感の中で
”世間サマの腰をブッコ抜いてやる”
ずっとそう考えていた。
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by taku-ma3 | 2007-04-23 23:55 | マネーコード

続く

ヤツはFと名乗った。
「ずいぶん張ってるんだな」
「そうですか?・・・んーまあ仕事ですから」
ヤツはガリガリに痩せていて身長はそこそこ高い、175cm位だろうか。しかし頼りないという風ではなく背筋はしゃんとしておりその眼光は鋭く、立ち居振舞いも毅然としたものだった。
「仕事って云うとそれで・・・博打で喰っているのかい?」
「なんと言ったらいいのか、まあそんなようなものですかね」
「曖昧ないい口はやめにしようぜ、オレはたくさんの人間を見ているがキミからはなんというか普通の人間と違う・・・すさまじく俗世離れしたものを感じるんだが?」
彼は多少微笑みながら
「そうですかね、自分じゃ分かりませんが・・・まあいいでしょう。仕事なんですよこれは本当に。
請負ですよ。自分の能力を買ってくれている人が、なんていうんですかね、まあ道楽でやらせてくれているんですよ。」
「てことはキミはバイニンってことなのかい?」
「言葉はよくわからないんですが・・・自分は預かったお金を”投資”して増やして返す。そんなことをやっています」
オレはなるほどと思った。
「金主は満足していそうだな」
「まあ今のところは」
「永いのかい?」
「どうですかね、あっという間なんで分かりません」
オレの興味はすでにヤツの”能力”に移っていた。
「とはいえなんでそんな大金を賭けれるんだい?しかも毎回毎回。普通のサラリーマンなら一月かかって稼ぐ位の金額だ、人の金とはいえ負けがこんだらあっという間に1000くらいはいっちまうだろう」
野暮ったい質問だと思ったが聞いてみた。
「なにか”確信”出来るものでもあるのかい?」
ヤツも話したくて仕方なかったらしい。そんな問いかけに
「”仕込み”って分かりますか?分かりますよねあなたなら。だからぼくはすんなりタクマさんの誘いに乗ったんです」
仕込み・・・。自分が今までおぼろげながら感じていたこと・・・、一気にド真ん中を射抜いてくれた。
「オレと組まないか」
まるで初恋の女に再び出会い思いのたけをぶつけた、そんな気分でヤツに言った。
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by taku-ma3 | 2007-04-23 00:21 | マネーコード

外伝

ヤツはぺラ紙の束を丁寧に鞄にしまい
「つぎのレースは村田かな」
と言った。そして歩きながら
「向こうは小牧・・・かな多分」と言った。
「買わないのかい?」
ヤツは少し笑みを浮かべながら
「集中がきれちゃいましたから」
「自信があるなら買うべきじゃないか?」
「自信?それは”向こう”に聞いてくださいよ、とにかく今日はここでおしまいですから」
向こう?オレは訳もわからずにヤツの後を歩いた。

腰を落ち着けられる店に着いた時レースが始まり村田は3着、小牧は1着だった。
「買うべきだったな」
「仕方ないですよ、集中が切れていたし。”確認”ということで納得できます、あなたとも話がしたかったし」
確認?そのときのオレには理解の範疇を超えていた。
「ま、パスタでも食べましょうよ、タクマさんはワインですか?」
ヤツの言った馬はすべて1、2人気じゃない・・・そう思いながらオレはいわれるままにワインを注文していた。
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by taku-ma3 | 2007-04-21 00:40 | マネーコード